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経験者必見!ダイバーお役立ちコラム

水中カメラを買う前に考えたい「何を撮りたい?」|魚・地形・マクロ・動画で変わる撮影器材

更新日:2026.09.19.Sat/投稿日:2026.09.19.Sat

スキューバダイビングのライセンスを取得し、水中の世界に慣れてくると「この美しい景色を残したい!」「可愛いウミウシをきれいに撮影したい!」という思いが強くなってくるのではないでしょうか。

最近ではOM SYSTEM(元オリンパス)のTough TGシリーズを初め、初心者でも扱いやすい水中カメラが普及し、手軽に水中写真を始められる時代になりました。しかし、いざカメラを海に持って潜ってみると「全体的に青っぽい写真になってしまう」「目で見ている迫力が写真に収まりきらない」といった壁にぶつかることも少なくありません。

そこで必要になってくるのが、カメラの性能を引き出す「水中撮影アクセサリー(外付けレンズ・ストロボ・水中ライト)」です。

この水中カメラやアクセサリー追加で失敗しない最大のコツは、スペックの高さや価格ではなく、「自分が水中で何をメインに撮影したいのか(撮りたいスタイル)」から逆算して器材を選ぶことです。

この記事では、魚・地形・マクロ・動画といった撮影スタイルごとに必要な器材の役割と、おすすめの撮影器材のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

なお、水中写真の撮影方法やカメラの選び方について詳しく知りたい方は、「美しい景色をそのままに。ダイビング写真撮影のはじめかた」の記事を参考にしてください。

水中撮影 ポイント

撮影スタイルで変わる!必要な追加器材の全体像

水中撮影器材

水中は陸上と異なり、「光が届きにくい」「水によって画角が狭くなる」という特殊な環境です。そのため、自分が「何をどう撮りたいか」によって、カメラ本体に追加すべき器材が大きく変わります。

まずは、代表的な4つの撮影スタイルと、それぞれに必要な器材の組み合わせを押さえましょう。

 

撮影スタイル①:ワイド撮影

主な被写体・シーン:ダイナミックな地形、サンゴ礁、大型回遊魚、魚の群れ

必要になる主な器材:ワイドコンバージョンレンズ(ワイコン)+ストロボ

器材に求められる役割:画角を広げて被写体に接近し、光を当てることで失われた色を再現する

 

撮影スタイル②:マクロ撮影

主な被写体・シーン:ウミウシ、エビ、カニ、ハゼ、魚の幼魚

必要になる主な器材:ストロボ、または水中ライト

器材に求められる役割:被写体にしっかりと光を当てて本来の色彩や質感を鮮やかに再現する

 

撮影スタイル:③水中動画撮影

主な被写体・シーン:泳ぐ魚の群れ、ダイバー仲間、水中散歩

必要になる主な器材:ワイドコンバージョンレンズ(ワイコン)+水中ライト(継続光)

器材に求められる役割:撮影中ずっと明るく均等に照らし続け、動画全体のクオリティを上げる

 

撮影スタイル:④ナイト・地形ダイビング

主な被写体・シーン:岩陰の生物、夜間の海、暗い洞窟

必要になる主な器材:水中ライト(スポット・ワイド切り替えなど)

器材に求められる役割:ナイトダイビングなどにおける安全な視界確保と、生物のピンポイント照射

 

「全部の撮影を完璧にこなす」器材を一度に揃えるのは大変ですが、自分のメインスタイルが決まれば、無駄のない最適な器材構成が見えてきます

【地形・大型生物派】ダイナミックな世界を残す「ワイコン」の選び方

水中撮影 ダイビング

なぜ水中で「ワイコン(ワイドコンバージョンレンズ)」が必要なのか?

陸上で広角撮影ができるカメラでも、水中に持ち込むと「水の屈折(約1.33倍)」の影響を受けて画角がキュッと狭くなります。

陸上よりも被写体が大きく近く見えるため、大きな沈船や広大な地形、群れ全体を写真に収めようとすると離れて撮影すると、今度は「水の濁り(浮遊物)」や「青かぶり」の影響を受けて、何を撮っているかわからない写真になってしまいます。

そこで活躍するのがワイコン(ワイドコンバージョンレンズ)です。カメラのハウジング(防水ケース)の前面に装着することで、狭くなった画角をグッと広げ、「被写体にグッと近づきながら、広い範囲を写す」ことができるようになります

見た目はそっくり!ワイコンの違いと代表的ワイコンの比較

ワイコンはどれも丸い大きなレンズで見た目が似ていますが、「画角の広さ(倍率)」「レンズの歪み」「サイズと重量」など、しっかりと違いがあります。

 

①フィッシュアイ UWL -28M52R

UWL -28M52R出典:株式会社フィッシュアイ

超ワイド画角の撮影を可能とするフィッシュアイのUWL -28M52R。画角は約168度と水中コンデジ用コンバージョンレンズの中では最大画角です。大きな被写体を画面に収めることができ、かつ光の当たる距離まで近づけるため色も鮮明に出る、美しくかつインパクトにあるワイド撮影が可能に。「ワイド派」は迷ったらまずこれです。

※カメラによっては周囲にケラレや収差※が発生する可能性あり
※収差:光の屈折率の違いによって起こる画像の歪みやボケ、色ズレ

 

②WEEfiNE UWL-24M52R

UWL-24M52R出典:株式会社フィッシュアイ

自然な広角描写を可能とするWEEfiNEのUWL-24M52Rは、画角約150度とフィッシュアイのUWL -28M52Rの画角には劣りますが、周辺の収差が少なく画像の歪みが気にならないのが大きなメリットです。

見た目はUWL -28M52Rより若干大きめで、根本にあるブルーカラーが目印です。

 

③AOI UWL-04Aワイドコンバージョンレンズ0.42X

UWL-04Aワイドコンバージョンレンズ0.42X出典:株式会社フィッシュアイ

こちらも超広角撮影を叶えるAOIのUWL-04Aワイドコンバージョンレンズ0.42X。最短撮影距離がドームポートの直前のため、被写体はマクロでありながら背景のワイドな景色も同時に取り入れる「ワイドマクロ撮影」という高度な表現が可能です。

付属のアタッチメントでねじ込み式からバヨネット式に変更可能。レンズの交換がよりスムーズになる画期的レンズです。

【静止画・マクロ派】水中の「赤色」を取り戻す「ストロボ」の選び方

水中撮影

なぜ水中写真に「ストロボ」が必要なのか?

海の中に潜っていくと、水深が深くなるにつれて太陽光の「赤い光」から順番に吸収され消えていきます。水深10~15mを超えると、人間の目にも周囲が青緑っぽく見える「青かぶり」という現象が起き、カラフルなソフトコーラルや鮮やかなウミウシも、自然光だけではくすんだ色合いに写ってしまいます。

この失われた鮮やかな色(特に赤色や黄色)を瞬時に呼び戻してくれるのがストロボ(瞬間発光装置)です。

静止画撮影においてストロボが水中ライトより優れている点は「圧倒的な大光量」と「浮遊物の写り込み防止」です。一瞬だけ強い光を照射することで、手ブレを防ぎつつ被写体だけをくっきりと浮き立たせることができます

主要3モデルの比較

初心者からベテランまで安心して使える、信頼の3モデルの特徴を解説します。

①Sea&Sea YS-D3 DUO

YS-D3 DUO

出典:SEA&SEA株式会社

ガイドナンバー33という圧倒的な大光量を誇るストロボ。より均一でムラのない配光でより美しい水中写真を実現します。最大の特徴はOM SYSTEM公認の「RCフラッシュシステム(RCモード)」に対応したフラッシュモードの搭載。多くのダイバーが愛用するTGやOMシリーズとの連動が可能で、より快適な水中撮影を実現します。

 

②Sea&Sea YS-01 SOLIS

YS-01 SOLIS

出典:SEA&SEA株式会社

SEA&SEA(シーアンドシー)の「YS-01 SOLIS」は、エントリー層から中上級者まで幅広く支持されたベストセラー水中ストロボ「YS-01」の後継モデルです。コンパクトなボディを取り回しやすいサイズ感にまとめながら、十分な光量とDS-TTL機能などを備えており、マクロ撮影や最初の1灯に最適です。

 

③AOI UCS-Q1-RC

UCS-Q1-RC

出典:株式会社フィッシュアイ

AOIの「UCS-Q1-RC」も、OM SYSTEM のカメラに搭載されている「RCモード」に完全対応した、小型かつ高機能な水中ストロボです。

フル発光でもわずか0.85秒でチャージ完了、約1500回の照射が可能というスタミナで、一瞬一瞬が一期一会である水中撮影のシャッターチャンスを逃しません。

【動画・ナイト・地形派】照射し続けられる「水中ライト」の選び方

水中撮影器材 ライト

なぜ動画や探索には「水中ライト」なのか?

ストロボは静止画のシャッターを切った「一瞬」しか光りません。そのためGoproやコンデジの動画モードで撮影する際には、常に光を照らし続ける「水中ライト(継続光)」が必須となります。

また、ナイトダイビングや洞窟潜水、あるいは昼間でも岩の隙間に隠れたエビ・カニなどを探す際には、明るく照らせる水中ライトが欠かせません。

水中ライトを選ぶ際は、「ルーメン数(明るさ)」「配光角(光の広がり)」「演色性(色の自然さ)」をチェックするのがポイントです

主要3モデルの比較

①Sea&Sea LXシリーズ

Sea&Sea LX

出典:SEA&SEA株式会社

カラフルなデジタルモニターを搭載し、水中でも優れた視認性と高い操作性を発揮することで好評のSea&SeaLXシリーズ。1200、2400、4000ルーメンと3モデルあり、自身の好む撮影に向いた光量や予算で選ぶことができます。

ワイド・スポットの切り替えだけでなく、100段階の細やかな光量調整、非常時のシグナル発信やバッテリー消費を軽減できるモードなど、初心者からプロまで多くのダイバーに愛用されています。

 

②RG Blue システム02トライカラー

SYSTEM02 Tricolor

出典:株式会社エーオーアイ・ジャパン

単に明るいだけでなく「色温度(光の色合い)」にこだわるRG Blueの水中ライトは、プロの水中写真家からも圧倒的な評価のある水中撮影器材です。中でも、「システム02トライカラー」は「プレミアムカラー(4200K)」「スーパーナチュラルカラー(5000K)」「クリスタルカラー(6500K)」の3つの色温度を切り替えられるほか、最大4200lmの大光量と極めてムラの無い照射面を実現。

マクロからワイドまで被写体に合わせたライティングができる水中ライトです。

 

③オルカトーチ

オルカトーチ水中ライト出典:GD OUTDOOR

オルカトーチは高いコストパフォーマンスが魅力のブランドです。「予算は抑えたいけど、しっかりと光量も欲しい」という方に最適です。

例えば「D710V MK2」は2300lmで3万円以下、「D910V」は5000lmという大光量でありながら6万円以下という価格です。※2026年9月現在

ボタンひとつで操作できるシンプル設計で、水没のリスクが少ない形状も大きなメリットです。

【目的別】あなたにぴったりの器材組み合わせパターン

水中撮影器材

ここまで解説した各器材の特徴を踏まえ、代表的な「目的別・おすすめセットパターン」をご紹介します。自分が海でどんな撮影をしたいかをイメージしながら参考にしてください。

なお、この紹介はカメラ本体がコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)を前提としています。お持ちのカメラによっては装着できないレンズ、ストロボとの連動が合わない場合があります。お買い求めの際は最寄りのダイビングショップスタッフにお声かけください。

 

【パターンA:ダイナミックな地形・大物・群れを撮りたい(ワイド形)】

ベースカメラ:TGシリーズなどの水中モードがおすすめ
追加レンズ:フィッシュアイ:UWL -28M52R または WEEfiNE:UWL24M52R
ライティング:ストロボ Sea&Sea:YS-D3 DUO×2灯

広大な景色を隅々まで画角に収めつつ、大光量のストロボ2灯で遠くの被写体まで鮮やかに発色させるワイドセット

 

【パターンB:ウミウシや幼魚を可愛く鮮明に撮りたい(マクロ派)】

カメラ:TGシリーズなどの水中マクロモードや顕微鏡モードがおすすめ
追加レンズ:クローズアップレンズ(TGシリーズのマクロ機能を活かす場合不要)
ライティング:ストロボ AOI:UCS-Q1-RC または Sea&Sea:YS-01 SOLIS

より美しく被写体を撮影したい方はストロボ+ターゲットライト(オルカトーチD710)を組み合わせるのがおすすめ

 

【パターンC:水中散歩や泳ぐ魚を鮮明に動画で撮影したい(動画派)】

ベースカメラ:Goproやコンデジ動画モード
追加レンズ:アクションカメラは専用ワイドレンズ コンデジは WEEfiNE:UWL24M52R
ライディング:ライト RG Blue:システム02トリカラー または Sea&Sea:LXシリーズ

動画撮影時に必須の「継続光」を安定して供給し、刻々と変わる水中環境でも色鮮やかな映像を残せるセット

最初から全部揃える必要はない

水中撮影器材

上述したように、撮りたいものによって組み合わせは異なります。水中写真がうまくなるために、最初から「全てのアクセサリーを揃える必要」はありません。

まずはカメラ本体だけで撮影してみて、「自分は何を被写体にするのが好きなのか」「どんなシーンに感動するのか」を知ることから始めてもよいでしょう。

魚を撮ることが多ければストロボを検討し、ダイナミックな地形や魚群に魅力を感じたらワイコンを追加する。動画も残したくなったらライトを導入する。

このように実際にダイビングを楽しみながら、自分のステップに合わせて少しずつ器材を増やしていくことで、無理なく理想の撮影システムを作り上げることができます

また、同じカテゴリーの製品であっても、光量や照射角、サイズ、重量、バッテリーの持続時間などに違いがあります。

「一番高性能のものを買えばいい」「一番明るいライトが正解」という選び方ではなく、「自分がどのような写真や動画を撮影して、どう残したいのか」という目的を基準にすることが、水中撮影における器材選びのポイントです。

まとめ

水中撮影器材 まとめ

水中カメラや撮影アクセサリ選びで最も大切なのは、「高い器材を選ぶこと」ではなく「自分が水中で感動した瞬間を、どう残したいのか」という意志に合わせた道具を選ぶことです。

・広大な地形や群れに感動するなら「ワイコン」
・小さな生き物の色彩や表情に魅せられるなら「ストロボ」
・魚の動きやダイビング全体の思い出を残したいなら「水中ライト」

自分の「好き」が決まれば、手に取る器材は自ずと見えてきます。

「自分にはどの組み合わせが合っているかな?」「手持ちのカメラにどうやって取り付けるの?」と迷ったときは、ぜひダイビングスクールマレアのスタッフまで気軽にご相談ください。経験豊富なインストラクターが、あなたの撮影スタイルや予算に合わせた最適なセッティングをご提案します。

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