冬でもダイビングは楽しめる?魅力や対策を解説

2021.10.30.Sat


魚の泳ぐ姿や海藻の揺れる姿など、普段は見られない海の中の幻想的な景色を見ることができるダイビング。ダイビングは海に潜って楽しむマリンスポーツのため、海水温度の下がる冬はダイビングができないと考えている方もいらっしゃるでしょう。しかし冬でもしっかりと寒さ対策を行えば、ダイビングを楽しむことができます。むしろ冬だからこそ楽しむことができる魅力もあります。今回は冬のダイビングの魅力と、必要な対策をご紹介します。

ダイビングは冬でもできる?

ダイビングは、夏の水温が暖かい時期に楽しむマリンスポーツと思われがちですが、冬でも楽しむことができます。海の水温は気温より2、3か月遅れで変化し、真冬でも西日本の太平洋側なら水温が15℃~20℃の時もあります。しかし、陸上よりも水中の方が暖かいとはいえ、当然寒さ対策などいくつかの対策を行わなければなりません。正しく対策を行った上で、冬のダイビングを楽しみましょう。

冬のダイビングの魅力4選

透視度が高い海に潜れる

冬は他の季節よりも海の透視度が高くなります。冬に海の透視度が高くなる理由は、プランクトンが減る、風で濁った水が流れる、山から流れる土砂が少ないためとされています。たとえば、夏は数メートル程度の透視度でも、冬には15~20メートル程度になることも少なくありません。
透視度の高い水中は視界も広く、いつも以上に幻想的な景色を楽しむことができます。

夏とは異なる海洋生物に出会える


季節で水温や潮の流れが変化するため、海の中で出会う生き物も変わります。冬には、キアンコウやウミウシ、ダンゴウオといった生物に出会う確率が高くなります。また、場所次第では深海生物が普段よりも浅いエリアに上がってくることもあるでしょう。運が良ければキアンコウやミズウオといった、深海生物を見ることができるかもしれません。その他にもダイバーに人気な海の宝石とも言われるウミウシがよく発見できるシーズンでもあります。ぜひ夏には見ることができない海洋生物に会いに行ってください。

夏と比較すると人が少ない

海水浴シーズンである夏は海が混雑しがちです。しかし冬に海に行く人は少ないため、混雑することが少なくゆっくりとダイビングが楽しみやすい点も魅力の一つです。海岸に向かう道が空いていればスムーズに移動できる、海に潜るまで待ち時間も少ないなど、移動時間の大幅な短縮ができる可能性もあります。
また、水中で他のダイバーと出会うことも少ないため、他のダイバーに気を遣いながら泳ぐストレスもありません。ダイビング後の更衣室も空いている為ゆっくりとシャワーを浴びたり時間をかけて髪を乾かしたりすることも出来るので、女性ダイバーにもお勧めのシーズンです。

冬にしか潜ることができない海やイベントがある

海水浴シーズンである夏は、さまざまなイベントが催されます。しかし一方で、冬に開催されるイベントや、冬にしか潜ることができない海もあります。例えば、小曾我洞窟や内浦ビーチなどは、冬季限定のダイビングスポットです。
小曽我洞窟は熱海にあるダイビングスポットで、都心から車で1時間半とアクセス抜群。ダイナミックな地形が人気のスポットですが、最大水深12メートルのため初心者の方でも楽しむことができます。
一方の内浦ビーチは、和歌山県にあるダイビングスポットです。和歌山県にもダイビングスポットが多数ありますが、内浦ビーチしか会えない生物が多く生息しているため、人気があります。また、アジの大群に遭遇できます。
有名な冬のイベントは、大瀬崎のクリスマスツリーです。大瀬崎の水深10メートルに巨大なクリスマスツリーが設置され、ナイトダイビングではライトアップされたツリーをみる事もが出来ます。年末年始にはカウントダウンや、ダイビングの合間に餅つきなどを行ったりもします。ほかにもお正月の門松、バレンタインのハートなど、冬ならではのイベントが開催されます。

冬のダイビングに必要な対策とは?


ここまでご紹介した通り、冬のダイビングにはさまざまな楽しみ方があります。しかし冬のダイビングはしっかりと対策をしなければなりません。そこでここからは、冬のダイビングに欠かせない対策を紹介します。

ドライスーツを着用する

気温の下がる冬は当然水温も下がります。陸上よりも水中の方が暖かいとはいえ、ダイビング中は寒さを感じます。そのため、冬のダイビングではドライスーツを着用しましょう。
ドライスーツは冬だけではなく、春や秋にも着用できるため、一着持っておくと便利です。お持ちでない方はこの機会に購入しましょう。

ドライスーツとは?

ドライスーツとは、首から足先まで一体になった完全防水のスーツです。首と手首の部分がシールになっているため、スーツの中に水が入ってくることはありません。
種類はネオプレーンタイプとシェルタイプの2種類。それぞれの特徴を知り、自分に合ったタイプを見つけましょう。特徴や選び方は下記をご覧ください。
ドライスーツは選び方が重要
日本では素材自体に保温効果を持つネオプレーン製のドライスーツが主流ですが、海外ではインナーの量により幅広い水温に対応できるシェルタイプが主流です。
ネオプレーンタイプは、ウエットスーツと同じネオプレーンゴムが、中生地にはジャージを貼った生地がそれぞれ使用されています。日本のドライスーツの8割はネオプレーンタイプのため、種類も豊富で好きなデザインを選ぶことができます。最近では、デザインにこだわった柄の生地も出ておりますので、自分好みのスーツも作ることが出来ます。
一方でシェルタイプは、レインコートのような防水素材です。スーツ自体に保温性はないため、インナーで寒さ対策をする必要があります。
それぞれ特徴が異なるため、サイズや動きやすさ、保温性、デザイン、素材などをチェックし、適したタイプを選びましょう。
首回りと手首が体にフィットしていれば、既製品でも問題ありません。しかし、よりフィットするドライスーツを求める場合はオーダーする選択肢もあります。ネオプレーンタイプのドライスーツを選ぶ場合は、フルオーダーも視野に入れて探しましょう。

ドライスーツを着る際のポイント

ドライスーツは慣れるまで、着る際に手こずってしまいます。特に、首元や手首がひっかかりやすいため練習や工夫が必要になります。
なかなかうまく首や手が通らない場合には、パウダーや専用のジェルを付けるとスムーズに通りやすくなるためおすすめです。
ドライスーツは簡単に脱ぐことができるため、慣れると便利に感じる方も多いアイテムです。着る練習や、パウダーやジェルを使うなど工夫して、ドライスーツに慣れましょう。

インナーを身につける

ドライスーツの下にインナーを着るとより保温性が高まります。特にシェルタイプは生地に保温性がないため、インナーの着用は必須です。インナーは普段着でもダイビング用のインナーでも構いません。
普段着をインナーとして使う場合には、長袖シャツやジャージのパンツなど、厚手の長袖がおすすめです。生地は速乾性に優れた素材がベスト。綿素材やウール素材は速乾性がないため避けてください。また、真冬で寒さが厳しい場合は、フリースを重ねる方法もあります。
ダイビング用のインナーをお持ちの場合は、普段着よりもダイビング用のインナーを着用しましょう。ダイビング用のインナーは、保温性や撥水性、ストレッチ性に優れておりダイビングに最適です。また、着脱しやすいといったメリットもあるため、冬のダイビングを楽しみたい方は購入してもよいでしょう。

フードをかぶる

水中で逃げていく体温の75%は頭から出ていくとされています。そのため、冬のダイビングではフードの着用は必須です。フードの着用は、体温低下を防止する上で最も有効な方法です。
また、頭を守る、髪の毛がなびくことを防ぐといったメリットもあるため、冬だけではなく他の季節もフードの着用をおすすめします。

グローブを着ける

冬のダイビングで指先が冷えると、指が動かなくなります。そこで活躍するアイテムがグローブです。グローブを着ければ手の保温に役立ち、指のこわばりを防ぐことができます。
グローブには冬以外に使用する製品や、通気性がよいメッシュ素材の製品がありますが、水温が下がる冬は、厚くて密閉性に優れたタイプがおすすめ。
水中カメラで撮影をしたい方などは、気密性が高く生地が薄いグローブなどもありますのでいろいろ試して自分好みの1つを探し出すのもいいと思います。
ただし海外の場合、グローブ禁止のスポットもあるため注意が必要です。必ず事前に確認してから着用するようにしてください。

冬のダイビングに役立つアイテム


前述の通り、冬のダイビングにはドライスーツ、フード、グローブが必須です。これらのほかにも、以下のアイテムがあればより快適に冬のダイビングを楽しむことができます。
一つ目の役立つアイテムはボートコートです。ボートコートはドライスーツの上に着用します。冷たい風から身体を守ってくれるため、ボートコートを着用すれば水中から陸上に上がった際の体温低下を防ぐことができます。
二つ目はニット帽です。ダイビングの休憩中も、頭から体温が奪われます。そこで濡れた髪を拭いてニット帽を被ることにより、体温の低下を防ぎます。
三つ目は貼るカイロもおすすめです。カイロは背中やお腹付近のインナーに貼りましょう。背中やお腹付近に貼れば、効率良く全身を温めることができます。
とっておきのアイテムは、電熱線で温めるベストがあります。こちらを着用すれば上半身を電気の力で温めるので寒さが苦手な方も快適になるのでおすすめのアイテムです。

安全のために意識しよう!冬のダイビングの注意点

ダイビングは正しい知識を持ち、常に注意をして楽しまなければなりません。無理をすると命に関わることもあります。
そこで安全にダイビングを楽しむために、冬に注意すべき点を2つご紹介します。

無理せず休憩する

冬のダイビングで最も注意すべきは体温の低下です。ドライスーツを着るなどの寒さ対策をしていても、水温の低い海に潜り続けると体温が徐々に下がります。寒いと感じたら無理は禁物です。必ずバディに伝えてすぐに休憩を取りましょう。
体調の異変を感じているにもかかわらず無理をすると、体力が消耗され体調を崩す恐れがあります。特に冬のダイビングで無理は禁物です。
また、水面休息中は体温を低下させないためにニット帽や手袋を着用し休憩中にも暖を取っておく事が大切です。水中から上がったらシャワーを浴びたり室内に入ったりして体を十分に温めてください。シャワーを浴びて温める際はドライスーツを着たままで構いません。十分に暖まったらすぐなにドライスーツを脱ぎ、インナーを交換してください。

トイレは事前に済ませておく

冬のダイビングで体が冷えると、トイレに行きたくなる可能性が高くなります。ダイビング中は当然トイレには行けないため、事前に済ませておいてください。
また、水分をきちんと摂取することは大切ですが、飲みすぎには注意が必要です。ただし、水分不足はダイビングに悪影響を及ぼすこともあるため、適度な水分補給を心がけ、必ずダイビング前にトイレに行きましょう。
合わせて気を付けて頂きたいのが飲み物の種類です。コーヒーや紅茶にはカフェインが含まれておりますので利尿作用でトイレが近くなりますので、ノンカフェインなどのものを選ぶのがいいでしょう。

対策をおこなって冬ならではのダイビングを満喫しよう

水の透視度が高かったり、冬にしか見られない珍しい海洋生物に出会えたりと、冬にしかない魅力が数多くあり、冬でもダイビングを楽しめます。しかし、水温が低くなる冬は、ドライスーツやフード、グローブの着用など、寒さ対策が必須です。十分な寒さ対策をした上で、冬のダイビングを楽しみましょう。