ダイビング時に欠かせない耳抜きのやり方

2022.12.25.Sun

耳抜きとは?

耳抜きとは?

スキューバダイビングは、海水浴やプール、シュノーケリングよりも深いところまで潜って楽しむマリンアクティビティです。

そのため、通常よりも水圧がかかり、耳に幕が張ったような聞こえ方になったり、耳が痛くなったりするなどの違和感が生じます。多少の個人差はあるものの、特に水深が深くなればなるほど、こういった違和感が生じる確率が高くなります。

そこで活躍するのが今回紹介する耳抜きの方法です。適切でスムーズな耳抜きをすることで、耳の違和感を解消することができます。

快適に楽しくスキューバダイビングを楽しむために、正しい耳抜きの方法をマスターしましょう。

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※このコラムは2021年8月1日に公開された記事を随時更新しています。

耳抜きをしないと起こること

耳に違和感が生じた時、正しく耳抜きが行えないと耳がキーンとする以外にもさまざまな異変が起きます。

痛み以外で耳抜きができずに起こる症状として特に多いのが、中耳炎、耳閉感、鼓膜穿孔、めまい、難聴などです。

スキューバダイビングの事故発生の原因として多いことも、耳抜きができないことによるものです。耳抜きは経験者の中でも体調や健康状態によって上手くできないことがあります。

ダイビング時に耳抜きが上手くできない場合は、早めにダイビングを切り上げることが大切です。また、異変を感じたらすぐに知らせるように心がけましょう。

ダイビングの主な耳抜きのやり方

耳抜きには複数のやり方があり、どの方法がやりやすいかは個人差があります。さまざまな方法を試し、自分の耳抜きしやすいやり方を見つけて練習しましょう。

また、耳抜きが上手くできなかった時、違う方法が試せるよう1種類だけではなく、2種類以上のやり方を覚えることをおすすめします。

今回は代表的な耳抜きの方法、バルサルバ法、フレンツェル法、トインビー法(嚥下法)のやり方を詳しくご紹介します。

(1)バルサルバ法

耳抜きの中で最も一般的な「バルサルバ法」は、鼻をつまんで鼻に圧力をかけて息む方法で、ほとんどのダイビング講習で習う耳抜きです。
詳しい手順は以下の通りです。

  1. 口を閉じた状態で鼻をつまむ
  2. 喉から耳に空気を送るイメージで、やさしくかつしっかりと息む

口を閉じた状態で鼻をつまみ息むことで、鼻腔内の圧力が高まり耳管が開かれます。

鼻がつまみにくい場合は両手の人差し指を使ったり、マスクのノーズポケットの下から鼻の穴を塞ぐようにしたりしても構いません。鼻から息が漏れないよう、しっかりとつまんでください。

(2)フレンツェル法

「フレンツェル法」は比較的簡単に行える耳抜きで、インストラクターの多くはこの方法で耳抜きをしています。
フレンツェル法の手順は以下の通りです。

  1. 鼻をつまむ
  2. 鼻をつまんだまま、舌の根元部分を上顎に持ち上げる
  3. 耳菅が開いて抜けた感じがすれば完了

ほとんどの人は舌の根元部分を上顎に持ち上げる動作を難しく感じますが、コツを掴めば簡単に行えます。何度も練習してコツを掴みましょう。

(3)トインビー法(嚥下法)

耳に優しい方法で最もおすすめなのが、「トインビー法(嚥下法)」です。「トインビー法」の手順は、鼻をつまんだ状態で唾を飲み込むだけです。

鼻をつまんだまま唾を飲み込むことで、鼻腔内の圧力が上がり耳管が開きます。これにより耳抜きができます。

なお、手順はシンプルで簡単に見えますが、実は最も難しくなかなか上手くできないという人も少なくありません。

また、胃に空気が入りゲップが出やすくなるため注意が必要です。

(4)初心者におすすめの耳抜き方法

初心者の中には、水中で耳抜きができないという人も少なくありません。そこで、初心者におすすめの耳抜きの方法として、バルサルバ法とトインビー法(嚥下法)を組み合わせた方法があります。

手順は以下の通りです。

  1. 口から少量の息を吸い、息が漏れないよう口をしっかり閉じる
  2. 鼻から息が漏れるのを防ぐために、指で鼻をしっかりつまむ
  3. 唾を飲み込む。または、ティッシュで鼻を噛むように鼻に空気を送る
  4. 空気が耳に流れるように耳に意識を集中させる

1.で口から息が漏れないように口を閉じている際は、舌を上顎に付けたり、前歯で舌先を軽く噛みましょう。

4.についてはトインビー法ができる方は唾を飲み込み、上手く唾が飲み込めない方は鼻に空気を送る方法で行いましょう。

なお、この方法は力を入れすぎると内耳や鼓膜を傷つける危険があります。肩の力を抜いて、力みすぎないように行ってください。

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耳抜きができない原因と上手にするコツ

耳抜きには複数の方法がありますが、初心者の場合はどの方法もなかなか上手くできないという方も多いようです。

そんな時には、耳抜きができない原因を知ることが大切です。

耳抜きができない大きな理由は、以下の4通りが挙げられます。

  1. タイミングが遅い
  2. 回数が少ない
  3. 鼻をしっかりつまめていない
  4. 口から空気が漏れている

耳抜きで重要なのはタイミングです。耳抜きができない方は、水面で耳抜きをしてから潜降を開始するようにしてみましょう。耳に違和感が生じてから耳抜きをするのは遅すぎます。水深10m程まではこまめに耳抜きするのがベストです。

また、鼻をしっかりとつまめていなかったり、口から空気が漏れていたりすると、耳に空気が送られず耳抜きができません。鼻や口から空気が漏れないよう、しっかりと閉じてください。

耳抜きをする際または上手くいかない際は、下記のことを意識しましょう。

  1. 違和感が生じたらすぐ行う
  2. 耳抜きが行えない場合、インストラクターにハンドシグナルで伝える
  3. 浅い水深に移動して耳抜きしてみる
  4. どの方法でもできない場合、しばらく同じ水深に留まり、その後行ってみる

2.のハンドシグナルについては、よく使うハンドシグナルを紹介している記事があります。そちらを参考に、ハンドシグナルを覚えておきましょう。

【関連記事】
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さらに、ここからは耳抜きを上手に行うコツを4つご紹介します。

1.複数の方法を覚えて試してみる

耳抜きには複数の方法があり、先ほどご紹介したような2種類を組み合わせた方法もあります。1種類だけを覚えるのではなく、もし耳抜きができなかった場合を想定して、複数の方法を覚えて練習しましょう。

少なくとも、今回ご紹介したバルサルバ法、フレンツェル法、トインビー法の3種類を覚えておくことをおすすめします。

2.リラックスする

耳抜きは肩の力を抜いてリラックスして行うことが大切です。リラックスしてダイビングができるよう、ダイビングの前日は睡眠をしっかりとり、飲酒は控えるようにしましょう。睡眠不足やアルコールは耳抜きをしづらくします。

3.耳抜きしづらい方を水面に向ける

耳抜きをしていると、片耳だけ抜けなかったりすることがあります。そんな時は、耳抜きしたい方を水面に向けるのが効果的。耳抜きしたい方を上に向けて、力まずゆっくり耳抜きしましょう。

4.ダイビング前の行動も大切

ダイビング前の行動も、耳抜きに大きな影響を与えます。

例えば、ダイビング前にガムを噛むなどして顎を動かしたり、耳や首をマッサージしておくと、筋肉がほぐれたりリラックスしたりする効果があります。

また、ダイビング直前に鼻を噛んでおくことで、耳の違和感が軽減されます。

耳抜きが苦手な方は練習で習得してみよう

耳抜きはダイビング時に何度も必要になるため、事前に練習しておくことが大切です。ダイビングスクールで慣れるまで何度も練習しましょう。

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なお、地上での無理な耳抜き練習は、耳を痛める可能性があるため避けてください。どうしても地上でしか練習ができないという方は「オトヴェント」という器具がおすすめです。

「オトヴェント」とは耳抜きをできるようにするための器具で、鼻風船のようなイメージで練習します。風船の膨らみを確認しながら、適切な息み方を身につけられます。オトヴェントの練習方法は下記の通りです。

  1. 片方の鼻の穴を手で押さえ、オトヴェントをもう片方の鼻の穴に当てる
  2. 鼻から声を出すようなイメージでゆっくりと2秒間かけてグレープフルーツ大まで膨らませる
  3. 膨らんだら同じ強さの息を2秒間かけ続け、大きさをキープする

なお、オトヴェントはあくまでも耳抜きの感覚をつかむための道具で、耳抜きを改善する道具ではありません。

マスクのサイズも重要なポイントに

マスクのサイズも重要なポイントに

耳抜きは、マスクのノーズポケットが自分の顔のサイズに合っているかも重要なポイントです。ノーズポケットと自分の鼻の両方をつまめるのが、最適なサイズです。

鼻がつまみにくかったり、鼻から空気が抜けていたりする場合には、マスクを変更することで耳抜きができるようになることがあります。

アメリカやヨーロッパ製のマスクは鼻の大きな外国人に合わせてノーズポケットのサイズが大きい傾向があります。GULLやTUSAなど、日本のメーカーのモデルであれば、日本人向けに作られているので安心して使用することができるでしょう。

違和感が無くならない場合は耳鼻科を受診

ダイビング後に耳の違和感がある場合は、2〜3日程度安静にして様子を見ます。耳抜きが上手くできず違和感が残り続けている場合は、必ず耳鼻科を受診してください。

耳抜きが上手くできないまま放置しておくと、耳に痛みが残ったり中耳炎になったりなど、さまざまな症状が出ます。無理矢理耳抜きをしたり、耳抜きをせずに深くまで潜ったりすると、外リンパ瘻や鼓膜の破損などになることもあるので注意しましょう。

外リンパ瘻や鼓膜の破損は、中耳炎よりもはるかに痛みを伴います。痛みがひどい場合は、早めに耳鼻科を受診してください。

耳鼻科では主に鼓膜所見、耳管機能検査(チンパノグラム)、聴力検査、平衡機能検査などの検査を行い、必要に応じて治療します。

症状を軽く抑えるためにも、ダイビング中に耳抜きができなかった場合は、すぐにバディやインストラクターに伝え、ダイビングを中止しましょう。

まとめ

まとめ

普段はなかなか見られない、幻想的な海の中の景色を見られるダイビング。地上とは違う景色が目の前に広がります。非日常空間は、日常の疲れを癒してくれるでしょう。

そんなダイビングではさまざまな知識が必要となりますが、耳抜きも安全にダイビングを楽しむために欠かせないスキルです。

複数の耳抜きの方法を練習し、ダイビング前に耳抜きをしたりマッサージをしたりするなど、準備を行ってからダイビングしましょう。また、水深10m程まではこまめに耳抜きをして、耳がつまらないように意識することも大切です。

万が一耳抜きができない時には、違う耳抜きの方法を試す、バディやインストラクターにハンドシグナルを送るなど冷静に対処し、耳に違和感が残る場合は早めに耳鼻科を受診しましょう。

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