野生のイルカと泳げるダイビングスポットは?必要なスキルや費用相場
更新日:2024.07.10.Wed   投稿日:2024.07.10.Wed目次
キュートなイルカと一緒に泳げたら、一生忘れられない思い出になることでしょう。実は、国内にもイルカと泳げるダイビングスポットがいくつか存在します。
今回は野生のイルカに出会える国内外のダイビングスポットや必要なスキル、費用相場などをご紹介します。可愛いイルカと一緒に泳いでみたい方は、ぜひ参考にしてください。
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ダイビングライセンスがなくてもOK!ドルフィンスイムとは?
ドルフィンスイムとは、スキンダイビング(素潜り)で野生のイルカと一緒に泳ぐことをいいます。船で野生のイルカが生息するスポットに行き、イルカを見つけたらそっと入水して一緒に潜ったり、イルカを観察したりします。
ここでは、ドルフィンスイムに必要なスキルや器材、ツアー日程、費用目安を紹介します。
必要なスキル
ツアー会社によってはダイビングライセンスがないとドルフィンスイムに参加できないことがありますが、多くの場合はライセンスがなくても参加できます。
ドルフィンスイムでは、タンクやBCDなどの重器材を使わずにスキンダイビングやシュノーケリングで泳ぎます。
ドルフィンスイムはダイビングに比べて難易度が低く、初心者や泳げない人でも始めやすいのが魅力です。ツアー会社によっては事前に教室や練習会などが開催され、イルカと泳ぐコツやルールなどを習得できることもあります。
必要な器材
ドルフィンスイムに必要な器材は、一般的にマスク・シュノーケル・フィンの3点です。
マスクは視野が広いもの、シュノーケルは排水しやすいもの、フィンはポケット部分に直接足を入れるフルフットタイプがおすすめです。自分の器材を持っていない人は、ツアー会社でレンタルできることが多いです。
ツアーの日程
ドルフィンスイムのツアーは2泊3日で行われ、初日は船中泊になることが多いです。例えば、日本国内で人気の御蔵島のツアーは以下のような日程で行われます。
【スケジュール例】
・1日目:21時ターミナルに集合。22時乗船開始・出発
・2日目:6時頃、御蔵島に到着。ドルフィンスイムを行う
・3日目:午前中にドルフィンスイムを行い、午後に御蔵島を出発・帰宅
費用目安
日本国内の場合、2泊3日のツアー費用は10~12万円が相場です。
ツアー料金には乗船券や現地宿泊費、仮眠部屋代、食事代、ドルフィンスイム代が含まれることが多いです。
イルカと泳げる国内外のダイビングスポットと出会える時期
船の上からイルカを観察する「ドルフィンウォッチング」は多くの観光地で体験できますが、野生のイルカと泳げるスポットは世界中でも限られています。
ここでは、野生のイルカと泳げる国内外のダイビングスポットやおすすめの時期を解説します。
御蔵島(東京都)
伊豆諸島の三宅島と八丈島の間に位置する御蔵島(みくらじま)には、約100頭のイルカが生息しています。御蔵島で見られる「ミナミハンドウイルカ」は人懐っこく、機嫌が良ければ30分ほど遊んでくれることもあります。御蔵島のドルフィンスイムのシーズンは4月〜11月ですが、なかでもイルカの好奇心が高い6~7月がおすすめです。
<アクセス>
御蔵島は東京の竹芝客船ターミナルから船で約7時間25分です。(三宅島経由)
三宅島・八丈島からはヘリコプター(東京愛らんどシャトル)も出ており、三宅島空港から約10分、八丈島空港から約25分で到着します。
利島(東京都)
利島(としま)は周囲約8kmの小さな島で、島の80%が椿林におおわれています。利島周辺には20頭前後のミナミハンドウイルカが生活しており、ダイビングとドルフィンスイムを両方体験できます。初心者でも泳ぎやすいのがメリットですが、利島のイルカは周辺の島を行き来しているため御蔵島よりも遭遇率は低めです。ドルフィンスイムのシーズンは、御蔵島と同じく4月から11月です。
<アクセス>
利島へは東京の竹柴港から高速船で約2時間25分、久里浜港から高速船で約1時間40分です。調布飛行場からは小型飛行機とヘリコプターで約35分です。(伊豆大島経由)
小笠原諸島(東京都)
小笠原諸島では、父島や母島、ケータ列島などの周辺に野生のイルカが生息しています。小笠原諸島のイルカは種類が多く、なかでも「ハシナガイルカ」や「ミナミハンドウイルカ」によく出会えます。小笠原では1年中イルカが生息していますが、気温が高くなる6月後半~10月頃がベストシーズンです。
<アクセス>
小笠原諸島は東京の竹芝桟橋から船で約24時間です。また、全国から不定期で出航するクルーズ船を利用する方法もあります。
能登島(石川県)
能登島は、能登半島の内海に位置する小さな島で、穏やかで透き通った海が特徴です。
能登島周辺には10頭あまりのミナミハンドウイルカが住んでおり、人に慣れたイルカが近くまで遊びに来てくれることもあります。イルカに出会えるスポットは港から船で約20分の場所にあり、船上からは高確率でイルカが泳ぐ姿を観察できます。なお、能登島でイルカと泳げる時期は、4月~10月中旬です。
<アクセス>
能登島に渡る橋は南北に二本(能登島大橋・ツインブリッジのと)あり、爽快なドライブを楽しめます。東京からは羽田空港から能登空港まで飛行機で約1時間、能登空港から能登島までタクシーで約1時間です。
ハワイ
ハワイ・オアフ島では、野生のイルカと泳げるツアーが一年中開催されています。スピナードルフィン(ハシナガイルカ)と泳ぐことはアメリカの法律で禁止されていますが、マダライルカやバンドウイルカと一緒に泳ぐことができます。日本語を話せるガイドがつくことも多く、安心して参加できます。運が良ければウミガメやクジラ(12月〜4月)に出会えることもあります。
<アクセス>
ハワイ(オアフ島)へは羽田空港・成田空港から直行便で約8時間、関西空港から直行便で約8時間30分です。
バハマ
アメリカフロリダ州やキューバに近いバハマは、700を超える島々からなる国です。
バハマで出会える野生のイルカはとても好奇心旺盛でフレンドリーなため、自ら人間に近づいてきてくれることもあります。ドルフィンスイムのベストシーズンは5~8月です。
<アクセス>
日本国内の空港からバハマへの直行便はなく、アメリカやカナダを経由するのが一般的です。羽田空港・成田空港からアトランタを経由する場合、乗り継ぎを含む所要時間は合計20~30時間程です。
また、クルーズ船で東京からバハマに向かうツアーも開催されています。
一緒に泳ぐ前にイルカの生態を知っておこう
イルカにできるだけストレスを与えないためには、一緒に泳ぐ前にイルカの行動の意味や威嚇行為について知っておくことが大切です。ここでは、イルカの基本的な生態について紹介します。
イルカの視力と死角は?
イルカは視力が弱く、人間の視力でいうと0.1未満だといわれています。頭部から超音波を出し、跳ね返ってきた情報を下顎でキャッチすることで方向や距離を把握しています。
しかし、イルカの背びれ付近や背後は超音波が届かないため死角になります。そのため、イルカと泳ぐ際はできるだけイルカの視野にゆっくり入るようにしましょう。
イルカの行動の意味は?
イルカのさまざまな行動には、それぞれ意味があります。イルカの行動の意味を知っておけば、ドルフィンスイムがもっと楽しくなること間違いありません。
ラビング
ラビングとは、胸びれで相手のイルカを擦る行動です。仲の良いイルカ同士が絆を深めたり、身体を擦って古い皮膚を落としたりする目的で行われます。
絡み合い
複数の若いオス同士が激しく身体をぶつけあったり、ぐるぐる回ったりする「絡み合い」は、交尾の練習と推定されています。ドルフィンスイム中に複数のイルカが絡み合っている場面に遭遇した場合、ぶつかる危険があるため近づかないようにしましょう。
ベビーシッター
母イルカが子どもと離れて泳いでいる際、ほかのイルカがベビーシッターとなり子イルカに寄り添って泳ぐことがあります。若いメスのイルカがベビーシッターを務めることが多く、群れで協力して子育てしていることが分かります。
アイコンタクト
イルカはアイコンタクトを好むため、近くで泳ぐ人間の目を見つめてくれることがあります。人に慣れているイルカは、目が合うと近くまで寄ってきてくれることもあります。
イルカの威嚇行為に注意
イルカの機嫌が悪かったり、人間が不快な行動を取ったりした場合、威嚇されることがあります。イルカの威嚇行為は「カッカッと音を鳴らす」「大きな口を開ける」「歯をカチカチ鳴らす」などがあげられます。イルカが威嚇行為をした場合は近づかず、すぐに動きを止めましょう。
イルカと泳ぐ前に対策すべき注意点
万全の体制でドルフィンスイムをするために、事前に知っておくべき注意点を紹介します。
酔い止めで船酔い対策をしておく
ドルフィンスイムツアーでは、イルカに出会えるスポットまで船で長時間移動することがあります。船酔いを予防するために、乗船の1時間前くらいに酔い止めを飲んでおくことをおすすめします。
クラゲシーズンは予防クリームを使用
日本国内では特に夏~初秋にかけてクラゲが大量発生しやすいため、クラゲ除けクリームで対策しましょう。ハワイでは満月の日から10日前後にクラゲが出没することがあり、バハマでも稀にクラゲに遭遇します。
イルカと一緒に泳ぐときのルール
野生のイルカは人間の思い通りにコントロールできません。できるだけ長くイルカと泳ぐためには、ストレスを与えないことが大切です。ここでは、イルカと一緒に泳ぐ際のルールを紹介します。
餌付けしない
野生のイルカにエサをあげると生態系に影響を与える恐れがあるため、餌付けは禁止されています。運が良ければ、イルカが魚やイカを捕食する姿が見られることもあります。
イルカにさわらない
イルカは人間に触れられることを嫌がるため、手を伸ばしたり触ったりしないようにしましょう。好奇心旺盛なイルカは近くまで寄ってきてくれることがありますが、手を伸ばすとすぐに逃げてしまいます。とくに、ぐるぐると渦を巻くように絡み合っているイルカは興奮状態なため、近づかずにそっと見守りましょう。
泳ぎ去っていくイルカを追いかけない
泳ぎ去っていくイルカはもちろん、人懐っこいイルカも追いかけないようにしましょう。イルカの方から興味を持って近づいてきてくれても、少し追いかけただけで不信感を持たれてしまうこともあります。一旦不信感を持たれると二度と近寄ってきてくれないため、注意が必要です。
イルカの捕食・交尾・出産など自然な行動を妨げない
野生のイルカと泳げるドルフィンスイムでは、イルカの捕食や交尾、出産などの場面に遭遇することがあります。イルカにストレスを与えないために、自然な行動は絶対に妨げないようにしましょう。
人工音を発する器具は使用しない
イルカ同士は音でコミュニケーションを取っています。そのため、人工音を発するとイルカのコミュニケーションを阻害してしまう可能性があります。ダイブコンピューターなどのアラーム音は鳴らないように設定するか、水中に持ち込まないようにしましょう。
水中カメラのフラッシュはオフにする
水中カメラの強力なフラッシュもイルカにストレスを与えてしまう恐れがあります。水中に潜る前には、フラッシュを必ずオフに設定しておきましょう。
まとめ
国内で野生のイルカと一緒に泳げるダイビングスポットは、御蔵島や利島、小笠原諸島、能登島などがあります。
ドルフィンスイムはマスク・シュノーケル・フィンの軽器材で潜れるため、ダイビング初心者でも気軽に挑戦しやすいのも魅力のひとつです。
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