ダイビングのライセンスとは?ライセンスの違いとおすすめのスポットを紹介

更新日:2023.11.18.Sat   投稿日:2023.11.12.Sun

スキューバダイビングは、水中で呼吸をしながら景色を楽しんだり、海の生き物たちの営みを間近で観察できたりする魅力的なレジャーです。一方で、普段とは違う水中環境は、危険と隣り合わせであるとも言えます。そのため、ダイビングにはライセンスが存在し、安全にダイビングを行うための知識や技術を身につけているという証明として発行されています。

しかし、ダイビングライセンスにも様々な種類があり、どのライセンスを取得すれば良いか悩んでしまうことも。そこで本記事では、ライセンスの基本的な知識を学び、その種類や違いに加え、ライセンスを発行しているダイビング指導団体について、最後はライセンスごとにオススメのダイビングスポットについてもご紹介します。

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ダイビングライセンスの「Cカード」とは?

ダイビングをしていて、よく耳にするのが「Cカード」という言葉です。
意味がわからないとアルファベットのAB「C」を連想してしまい、Cカードの他にもカードが存在するの?と首を捻ってしまいますが、Cカードとは一体なんなのでしょうか。まずは基本的な用語の意味から学んでいきましょう。

「Cカード」の意味

「Cカード」とは、ダイビング講習を受けて発行される認定証のことを指し、「C」とは「certification(認定)」の略称です。指導団体のプログラムに定められた講習をきちんと受講して「安全にダイビングを行うための知識や技術を身に着けていますよ」という証明なのです。

仮にCカードを持たずにスキューバダイビングをしようとすると、ダイビング用の施設を使用できなかったり、シリンダー(タンク)を借りたりすることができません。Cカードを持っていなくても、体験ダイビング(インストラクター主導のもと簡単なレクチャーを受けてから最大深度12m以内で行うダイビング)をすることができますが、ライセンスを持っている方と比べて自由度が低くなります。

国内外問わずそうしたダイビングのサービスを受けることができないため、Cカードはダイビングをする上で欠かせないものとなっています。

「Cカード」と「ライセンス」の違いは?

ダイビングでは「Cカード」ともう1つ、よく聞く用語で「ライセンス」がありますが、この2つの違いはなんでしょうか。
答えは2つとも同じ意味です。ただ「ライセンス」は「資格」という意味があるため、厳密には同義ではないのですが、日本国内のダイビングシーンにおいてCカードの重要性を重んじてこうした呼び方をされるという説もあります。

Cカードの発行においてはいくつかの指導団体があり、中でも1番多くのライセンスを発行しているのがPADI(パディ)です。後ほど詳しく紹介しますが、世界最大級のダイビング教育機関(指導団体)として知られており、PADIで認定を受けたダイバーは世界中で2,900万人以上になります。

ここまででCカードの意味や重要性がわかりましたね。
続いてCカードを発行している団体について、PADI以外にどんなものがあるのか、詳しくみていきましょう。

ダイビングライセンスを発行している主な指導団体

ライセンスを発行している指導団体は、世界で200団体、日本でも30ほどあります。ここではその中でも特に有名で主要な団体を4つ紹介します。

PADIインストラクター

PADI

PADI(パディ)は、1966年にアメリカ・イリノイ州のシカゴで設立された団体です。「世界中のより多くの人たちにスクーバダイビングを教えて、その素晴らしさと楽しさを知ってもらう」ことを目的に掲げ、ダイバー向けに「楽しむ」「学ぶ」「磨く」をコンセプトにしたコースを展開しています。
現在では、世界180ヶ国以上に展開しており、様々なダイブセンターと提携し、認定ダイバーは2,900万人以上となっており、その規模は世界最大級です。

NAUI

NAUI(ナウイ)は、1960年にアメリカでダイビングインストラクターコースを開催した歴史ある団体です。「最愛の人を任せられる信頼」「Dive Safety Through Education(教育を通じた安全なダイビングの実践)」を信条に、スキル開発のための堅実なプログラムを提供しています。
その功績が評価され、NASAやWalt Disney World Resort、フロリダ水族館とも提携しています。

BSACのCカード

BSAC

BSAC(ビーエスエーシー)は「The British Sub-Aqua Club」の略で、その名の通り、1953年にイギリスのロンドンで設立されました。ダイバー教育機関としては世界最古と言われています。
今ではダイバーなら誰もが知る「ダイブテーブル」の開発者や、世界初の水中カメラ撮影に成功したダイバーなど、名だたるダイバーが名を連ねる由緒正しいダイビング指導団体です。

SSI

SSI(エスエスアイ)は「SCUBA SCHOOLS INTERNATIONAL」の略で、「だれでもスクーバダイビングを学べるようにしたい」というダイバーたちの願いから、1970年にアメリカで設立された団体です。
他の指導団体はインストラクター個人でも活動ができますが、SSIはダイビングショップに所属していないといけません。また、ダイビング経験を重視しており、品質の高さはトップクラスです。

どの団体もそれぞれ個性があり、ダイビングにおいて何を重視するかという点でも異なっています。
もっと詳しい情報を得たい場合は、各団体のWEBサイトにてご確認ください。

ダイビングライセンスのランクとは?

Cカードは1種類ではなく、それぞれのランクによってできることや、得られる知識に差があります。ここではダイビング指導団体としての歴史が古いNAUIのライセンスを参考にし、取得することで何ができるようになるのか、取得までの大まかな日数や費用について紹介します。

パスポートダイバープログラム

体験ダイビングとCカードの中間的立ち位置のプログラム。インストラクターやダイブマスターの引率が必須ですが、世界中の海で水深12mまでのダイビングすることが可能です。さらに、ダイビングについての知識も学習資料を通じて学ぶことができます。

・名称:パスポートダイバー
・参加要件:10歳以上
・日数:1.5日
・料金:約40,000円〜

初級ダイビングライセンス

ダイバーの第一歩とも呼べるコース。ダイビングに使用する器材や、水中にいることが及ぼす人体への影響など、安全にダイビングを行うための基礎知識と技術を学ぶことができます。
このライセンスを取得することにより、水深18mまでの潜水、バディ潜水(インストラクターやダイブマスターがいなくても一緒に潜るダイバーがいればダイビング可能)ができるようになります。

・名称:オープンウォーターダイバー
・参加要件:15歳以上
・日数:2.5日
・料金:約40,000円〜

中級ダイビングライセンス

初級ライセンスより、さらに深場(30m)への潜水が可能となります。また、ボートダイビング、ディープダイビング、ナビゲーションなどのスキルを身につけ、様々な環境下でのダイビングを経験し、ダイバーとして大きなステップアップを図ることができます。

・名称:アドバンスダイバー
・参加要件:15歳以上
・参加資格:オープンウォーターダイバー取得後に受講可能
・日数:2.5日
・料金:約40,000円〜

スペシャルティライセンス

スペシャルティライセンスは、中級ダイビングライセンスで身につけたスキルをさらに向上させることができるコアスペシャルティと、ダイビングの楽しみの幅を広げるセレクテッドスペシャルティの2種類に分かれています。ディープダイビング、ナビゲーション、サーチ&リカバリー、ナイトダイビング、ボートダイビング、レスキューダイバーといった項目があり、目的に合ったスキルを深掘りしていくことが可能です。

・名称:ボートダイビング、ディープダイビング、レスキューダイバーなど
・参加要件:15歳以上
・参加資格:オープンウォーターダイバー取得後に受講可能
・日数:1日〜2日
・料金:約1,5000円〜60,000円

上級ダイビングライセンス

中級ダイビングライセンスまでは「ダイビングを楽しむ」ことに重点が置かれていますが、上級ライセンスからは「ダイビングを深く理解する」ことが必要となってきます。今まで習ったことの総復習並びに応用から成るコースです。ダイバーに必要な最上級レベルの知識と技術をマスターし、リーダーシップコースへの足がかりとなるランクで、ライセンス取得後は初めて潜るポイントでも、計画を立ててダイビングが楽しめるようになります。

・名称:マスターダイバー
・参加要件:15歳以上
・参加資格:
NAUIアドバンスダイバー
NAUIレスキューダイバー
NAUI CPR & First Aidの有効な資格
NAUIコアスペシャルティダイバーの資格認定3種類(レスキューダイバーを除く)
・日数:3日間
・料金:約70,000円〜

リーダーシップライセンス

通常ダイビングを仕事にするには「インストラクターライセンス」を取得する必要がありますが、リーダーシップライセンスの「ダイブマスター」はその一歩手前の登竜門です。このライセンスを取得すると、すでにライセンスを保有しているダイバーをガイドすることや、体験ダイビングのアシストなど行うことができるようになります。

・名称:ダイブマスター
・参加要件:18歳以上
・参加資格:
NAUIアドバンスダイバー
NAUIレスキューダイバー
NAUIマスターダイバー
NAUI CPR & First Aidの有効な資格
NAUIコアスペシャルティダイバーの資格認定3種類(レスキューダイバーを除く)
・日数:約5日間
・料金:約110,000円〜

インストラクターライセンス

インストラクターライセンスを取得すると、他ダイバーのライセンスを発行することが可能となり、今まで自分の中で培ってきた知識や経験、ダイビングの楽しさを伝える役割を担うようになります。さらにこのコースでは、ダイビングビジネスや法律についても学ぶ機会を設けており、広い視野でダイビングを捉える術を身につけることができます。

・名称:インストラクター
・参加資格:
NAUIレスキューダイバー
NAUIマスターダイバー
現役のNAUIダイブマスターまたは、現役のNAUIアシスタントインストラクター
NAUI CPR & First Aidの有効な資格
NAUIリーダーシップコース共通参加条件を満たしていること
環境、水深、活動内容などが多様な60回以上の潜水経験
・日数:約8日間
・料金:約220,000円〜

ライセンスによってできることの幅が大きく違いますね。もしどのライセンスまで取ろうか迷ったら「どんなダイバーになりたいか」という目標を掲げてから決めることをお勧めします。最後に、取得したライセンスごとのおすすめダイビングスポットをご紹介します。

ライセンスごとのおすすめダイビングスポット

ライセンスを取得したら行ってみて欲しいダイビングスポットを一挙公開します。ぜひ参考にしてみてください。

パスポートダイバーで行けるおすすめのスポット

パスポートダイバープログラムを取得した方におすすめのダイビングスポットは、伊豆半島(静岡県)の川奈や平沢などです。どちらも水深10m以下で、波が穏やかなので初心者でも潜行しやすく、多様な生き物に会えるスポットです。

平沢で海草藻場ダイビング

また、色鮮やかな熱帯魚やサンゴなど、南国にいる海の生物を見たいなら沖縄の人気ビーチダイビングスポット砂辺や崎本部(ゴリラチョップ)もおすすめです。

砂辺のハマクマノミ

オープンウォーターダイバーで行けるおすすめのスポット

水深18mまで潜ることができる初級ダイビングライセンスでは、国内にある多くのダイビングスポットでダイビングを楽しめます。沖縄県の石垣島や慶良間諸島といった離島でのダイビングがおすすめです。透明度の高い海では、あまり深く潜水しなくても、小さな生物から大型の回遊魚までバラエティに富んだ魚たちに出会えるのが魅力です。

慶良間のダイビングスポット

アドバンスダイバーで行けるおすすめのスポット

中級ダイビングライセンスを持っていれば、日本国内のほとんどの海でダイビング可能です。東京から行ける場所のおすすめは小笠原諸島です。「東洋のガラパゴス」と呼ばれる島ですが、海中にも独自の生態系が広がっています。水深日本固有種の魚・ユウゼンをはじめ、大型の魚であるイソマグロ、イルカなど、想像するだけで会ってみたい海の生き物が沢山いるスポットです。

小笠原諸島のイルカ

まとめ

ダイビングライセンスには様々な種類があり、潜れる水深に差があること、特定のライセンスにおいて取得には一定の条件を設けていることがわかりました。加えて、ライセンスを発行するダイビング指導団体も数多く存在すること、どのライセンスであっても、取得後は魅力的なダイビングスポットが待っていることを紹介しました。今回はNAUIを中心に紹介しましたが、その他の指導団体にもそれぞれ特徴があるため、色々な角度から比較して、自分に合ったライセンスを取得してみてください。

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